記憶混濁*甘い痛み*


「うん。合ってるよ」


「良かった。数字覚えるのは苦手なのですけれど、ちゃんと覚えられた」


『まあ、友梨ったら相変わらず可愛い声!条野今すぐ変われ!』


「うわーそう言う美弥子の声は可愛くねぇー。友梨、美弥子」


「美弥子先輩?はぁい」


和音はダイニングに移動して友梨に携帯を渡して書類に一枚一枚目を通す。


「友梨、書類OK。お疲れ様。午後散歩がてら出しに行こう」


「はぁい。じゃあ友梨お昼ご飯作る。お野菜切ってお水にさらしておかなくっちゃ。和音先輩、冷やしおうどんのスープ、ゴマベースとお醤油ベースどちらにします?」


美弥子との挨拶が終わって、電話を和音に返した友梨は、ニコニコと嬉しそうに、キッチンへ。


「友梨はどっちがイイの?」


「友梨は和音先輩が食べたい方が良い」


「オレも友梨が好きな方がイイな」


「…じゃあ、友梨はどっちが食べたいと思います?」


「オレも友梨も醤油だと思う」


「まあ、どうして解ったんですか和音先輩!」


「オレが友梨ちゃんに惚れてるから?」


「やだもう和音先輩ったら…ばか」


そんな会話を聞きながら、美弥子から電話を変わっていた忍は笑って。