「お兄様…もっと強く、友梨の事を抱いていて…」


あれから何度か和音と話す機会があり、無意識に指がつながれた日の…夜。


芳情院が病室に入ったとたんに、友梨がすがりついて来た。


「友梨…?」


「友梨とお兄様は、結婚していたのでしょう?もっとちゃんと…友梨の事を掴まえていて…お願い…」


いつもより強い、甘えと言うよりも願いに近い彼女の言葉に、芳情院は和音の影を見る。


……友梨オマエは。

また奴に惹かれるのか。


「お兄様…友梨を…お兄様のモノだと証明して下さいませ…このままじゃ嫌。嫌です」


綺麗な友梨の瞳から溢れる涙。


芳情院は切なそうに、友梨と深く唇を合わせた------