記憶混濁*甘い痛み*


そして  




「返せよ…もう、いいだろう?オレと彼女の祈りが、まだあなたには足りないというのか!?」


その握り拳をおもいきりテーブルに打ちつけた。


「それとも……オレがあなたから友梨を奪ったとでもいうのか?今の友梨こそが、あなたの愛した清らかで信心深い、本来の彼女の姿だと?だとしたら!……だと、したら」


和音は、深く息を吐いて、辛そうに眉を歪める。