春日SIDE

「ちょっとやめてよ春日。こんな事してどうなるのよ。」

菜々美の声にハッとわれに帰る。

「ごめん。」

握った手を緩めて、手首の跡にびっくりした。

「いたいじゃないもぉ!」

菜々美は、真赤の顔しながら手をぷらぷらした。

「すまない。」

そんなに強く握ってたのか。

「春日、私は、無理してあの家にいるわけじゃない。

 必要だと思ってるから居るのよ。

 ね、私があの家に居るのはそんなにイケないこと?」


「春日がそういうなら、考えてみるでも、

 私はあの家でそれなりに役を担ってる。

 きちんと皆と話してじゃないと結論は出せないわ。」

俺の暴走を菜々美が戒める。

なにやってんだ俺諦めるようなこと言っていたのに

こんな風に菜々美引っ張りまわして。


俺は、郁人だけじゃなく、家にまで嫉妬しているのか?