その夜、

郁人からの贈り物を開いた。


?ゴト


貝殻


手紙が入っていた。



『海を散歩していたらそっくりの貝殻を2つみつけたんだ、


ひとつは君にあげたくなった。


耳をあてると海の音が聞こえるんだ。


君に聞かせたくて


こんなものもらってもしょうがないよなぁ、


でも、持ってて欲しいよ。


大好きだ菜々美


会いたい』



耳をあてると波の音がした気がした。


郁人が海岸を歩くところを想像したら心がぎゅうっとなった


うれしいよ郁人大切にするね。


私も会いたいよ


離れてみて郁人がどんなに自分を包んでくれたかを思い知る。


離れるまでの1年間注いでくれた郁人の愛情は、今の私を支えてくれるゆるぎな


い自信になっている。


郁人がそばに居なくても、郁人は私が前を向いて歩けるように背中を押していて


くれる。