郁人らしい、郁人しかできない解決法だと思った。


全てを話し終えて遥が、

「郁人さんはステキな人ね。菜々美は幸せよ。」


「惚れちゃいそうってだった」って、耳打ちしてきた。

私は、あなたのために手放そうとしたのよって言おうとしてやめた。

遥には、これ以上辛い思いは必要ないと思うから。

「おめでとう遥、幸せになってね。」

「ありがとう。あ、ディビットよ。」

金色の髪をした、表情の優しい男の子だった。

「と、年下?」

「うん、大学生なの。」

「大丈夫?」

「向こうじゃ珍しくないわ、それに家族ぐるみで私を歓迎してくれてる。

あそこは、もう一つの私の家族だったから。」