―分からない。
何を1番に考えればいいのか分からない。

あたしが別れるって言えばいいの?
そしたらみんな、幸せになるの?―



この時の菜々は、母親が亡くなったことより、
その前に聞いてしまった優梨と健二の話しの方が気になっていた。




「ただいま」




答えが出ないまま、優梨が帰って来た。


いつの間にか、30分ぐらい経っている。