誰もいないと思って出たのに、部屋にはなぜか、健二1人が残っていた。 体はビクッと反応したけど、目もくれず、貴重品だけを持って部屋を出ようとした。 「無視って酷くねぇか?」 健二が声をかけてきたことで、優梨はドアを開けようとした手を止めた。 「……あんたと何を話すの?」 返事はしたけど、目を合わせようとはしなかった。