「ごめんなさい」
暴かれてから、優梨が初めて謝った。
本当に申し訳なさそうに、頭を下げた。
そんな姿に、全員が驚いた。
まさか、そんなに真剣に謝るとは思わなかった。
「こんなことしたって無意味だって分かっていた。
菜々の両親だって、菜々にとっては大切な人」
そう言って、菜々を見た。
「達也は私が刺した時、“菜々にごめんと言ってくれ”って。
全て分かったみたいな顔して死んでいった。
私には謝罪はなかった。
でも、謝って欲しい訳じゃない。
そんなんじゃない……!
全て、全てやり直したかったんだ。
ただ、それだけなのに……」


