まさか自分がターゲットになっているとは思わず、健二は驚く。 「でも、優梨の元カレなんでしょ? 何で……!?」 興奮したように寛子が言った。 「私は、菜々の彼氏を知らなかった。 名前も姿形も。 ただ、浮気を繰り返すヤツだってことしか知らなかった。 だから、両親と呼ばれるヤツらと、菜々の彼氏がターゲットだった。 初めにちゃんと、私が調べればこんなことにはならなかったのにね……」 そう言って、今にも泣きそうな表情で健二を見た。