そんなことを優梨に言われても、記憶になかった。




「その後、落ち着いた頃には私のいとこになっていた。
私が独りになった時、守ってくれる人がいるようにと、お祖母様の計らいだった」




そう言って目を閉じ、胸に手を当てた。




「真奈さんの存在は大きかった。
私を助けてくれた。
真奈さんがいるから、何度もやめようと思った。
でも、殺意の方が大きかったんだ」



「私がいて、良かった?」




真奈は遠慮がちに聞いた。