優梨も真奈を見たまま、答える。 「真奈さんは、本当の名前を日浦真奈と言って、私とはいとこでも何でもないんだ」 その言葉を聞いた真奈は、凄く驚いていた。 初耳だったみたいだ。 「じゃあ、私は誰なの? どうしてこんなことに……」 声は震えていて、最後まで言葉が続かなかった。 「真奈さんは、お祖母様が経営していた孤児院にいたんだ。 その前にいたところで、暴力にあい、生死の境をさまよって記憶喪失になったの。 そうとう酷かったみたいで、孤児院に来た当初、凄く暴れていて大変だった」