真奈と寛子が大広間の扉を開けたとたん、全員が注目した。


その視線に構うことなく、真奈は全員いるか確認した。


全員いれば一安心だけど、こういう時に限って人数が合わない。


それどころか、いなくては困る人がいない。




「菜々ちゃん!
2人はどこに行ったの!?」




凄い剣幕で聞いてくる真奈に、少し圧倒された。




「えっ、2人?

……あっ、優梨ちゃんと彩ちゃんですね。
あたしと入れ違いでトイレに行きましたよ。

でも、ちょっと遅いですね」