真奈は、少し考えながら言った。




「お祖母様の遺産が一部、誰か分からないところへ支払われていた」



「えっ!?」




真奈の言葉に、寛子は驚いた。




「優梨の両親も、何も知らないって言っていた。
誰か気になったから調べたらしいけど、結局何も分からなかった。

お祖母様が亡くなる直前に言われたのかと思ったけど、看取った優梨は、何も聞いてないって。

それで、未だに行方不明な遺産の金額が、確かこのぐらい……」