何事かと、寛子が真奈の手元を見た。 それは、さっきより1ヶ月ほどさかのぼった、ある日の日記だった。 “お祖母様が亡くなり、菜々のお陰で遺産が入る。 やっとの想いで手術が出来る。 これで菜々は、自由に外へ出ることが出来る。 私たちも自由になれる。” 「遺産!? 菜々ちゃんのお陰でって意味が分からないんだけど。 だって遺産って、夫婦ならその相方、いなければ通常、自分の子供にいくはずだよね?」