「だけど、何の為に?」 記憶を消したとしても、何の為にそんなことをしたのか、理解出来ない。 「それは分からない。 でも、これが優梨と関係があるかもしれない」 「さっきの“取り戻しに”って話し?」 「そう。 だけど、こんな金額どうしたんだろう。 菜々ちゃんちは一般家庭で、特別お金持ちな訳ではないはず」 「今までにコツコツ貯めたにしても、高すぎるよ。 生活費だってあるし」