それにしても、膨大な桁数だ。 顔のみの整形にしては、高すぎる金額。 「もしかしたらだけど……記憶を消したんじゃない?」 その数字を見つめながら、真奈が言う。 その言葉に、寛子は驚いた。 「えっ? まさか……!」 「だって、高すぎる金額に、菜々ちゃん本人は知らない。 それに“第2の人生スタート”って……」 確かに真奈が言ったことは考えられる。 菜々が知らない理由なんて、他に考えられない。