それを見て、真奈も何も言わない。 何か隠していると気付いていながら。 優梨が部屋を出てから、寛子が真奈を問い詰めた。 「何で聞かないの? 絶対優梨は、何か知っている」 聞いたその時に変化した表情が、何よりも証拠だった。 「確かに優梨は、何かを知っている。 だけど、その理由が今回の事件に関係することなら、尚更言わない」 真奈は、首を振りながら言う。 その表情は少し、曇っていた。