「はい、逢いました……」 微かだけど、声も震えている気がする。 そんなに震えるようなことを聞いただろうか。 「何を話したんですか?」 「何って……あなたと同じようなことです。 主について聞かれました」 そう言って、席を立った。 「もう、よろしいでしょうか……?」 返事をする前に、美希は出て行ってしまった。 真奈と寛子は、首を傾げた。 まるで逃げるように去って行ったから。