―――眠れねぇ。 その時。 部屋の扉が開いた。 「南さん?」 「橘!」 そこにいたのは橘光梨だ。 「来ちゃった♪」 「来ちゃったって…いいのかよ?生徒会長なのに」 「いいのっ、私の秘密基地教えるから来て!」 橘は俺の手を引っ張ると、廊下を静かに走って行った。 秘密基地? 着いたのは、裏庭みたいな場所だった。 「はぁー」 橘は息が切れているのか、深く深呼吸した。 「こんなトコあったんだ」 「あぁ。それに、ここは死角だし周りからも見えないし」