しばらくして、 君と付き合うことになったね。 呼び出された放課後の廊下。 付き合おう、と言われた。 好きだよ、とは言ってくれなかった。 それで良かった。 あの彼女が気掛かりだったから。 横領したみたいで、あたしは悲しかった。 あたしは君の言葉に一言、 お願いします、と言ったよね。 お互いに目を見つめ合って、 確かめるみたいにうなずいて、 あたしたちは歩み始めた。