「だから、病気治すの頑張ろうね?」


口は笑っているけど目はあんまり笑っていない、わざとらしく意地悪な琉くんの笑みにゾッとする。


「さっ、着いたよ~。」

「うん。お兄ちゃんに会っていく?」


「あぁ。ちょっとだけ。」


そう、あたしは両親は小さい頃に亡くなってしまっていて、今は教師をやっているお兄ちゃんの優介と二人暮らし。

そしてお兄ちゃんは琉くんと同い年で仲がいい。

「ただいま~」


家のドアを開けたらお兄ちゃんが出てきた。