あれから一年。はじめて、裕貴のことを“裕貴”って呼んで、裕貴がルミさんと会って、約一年の月日が経った。一年なんて、あっという間だった。





「よお、椿。それにしても、お前って本当に頭いいんだな。てか、学習能力ありすぎだろ？」





「誰だって、去年の恐怖を思い出すと、学習せざるおえないでしょ。」




今年のバレンタインは、僕はボスにチョコレートは好きじゃない。ついでに、甘いものはあまり食べれない。といったら、数は多いものの、みんな去年よりは少ない量の、クッキーをくれた。





「それにしても、もう小学校卒業だってさ。実感ある？」





「無いですよ。」





そう、来週の日曜日で、僕達は小学校を卒業する。ルミさんは、卒業式に来てくれると言っているけど、締め切り明けだから、本当は休んでてほしいんだけどな……。





「ルミさん、来てくれるって？」





「うん……。」





「何、締め切り明けなの？」





「まあね。だから、休んでてほしいんですけどね。」