僕のお母さん2




松本は、ただ頷いただけだった。緊張しているんだろうか。小学生が、今時友達の家に行くのに、緊張するのは、不思議だったが、僕は松本に構わず、自分の家のドアの前に行く。そして、ルミさんから預かってる家の鍵を使い、ドアを開けた。





「松本、どうぞ。」





松本は、一瞬たじろいた後、ゆっくりと足を踏み入れた。松本が入ったのを確認して、僕は玄関のドアを閉めた。あれ?ルミさんの靴がある。帰ってきてるのかな……でも、今日は、確か図書館の仕事があったはずなんだけどな。





「おじゃましまーす。」





僕は、チョコを机の上に置いた。松本も一緒に机の上に置く。そして、二人で、床に座りため息をついた。今日は、一日が疲れた気がする。チョコレートは大量にもらうし……僕、チョコレートはあまり好きじゃないんだよな。ルミさんにも言ってないんだけどな。





「お前の家、ルミさんと二人で住んでるんだろう?ちょっとここは広すぎないか?ここ、お前の部屋だろ?俺は、自分の部屋なんか持ってないぞ?兄弟共通の部屋だよ。」