「食べるよ。もちろん、貰ったものだからね。けど、来年はチョコレート以外って言わなきゃな……」
僕の言葉に、松本は呆れたようにため息をついた。でも、それ以上は何も言わなかった。僕がもし、このチョコレートを食べないって言ったら、松本はどうしたんだろうか……やっぱり、もう友達でいれなくなるかな……
「松本。うちに来ませんか?」
僕は、考えていなかったのに、口が勝手に発していた。また断れるかもしれない。でも、今日こそは、松本をルミさんに紹介したかった。僕の……友達として。
「あ……ああ。お前んちがそれでいいなら。」
松本は、照れくさそうにそう言った。もしかしたら、この前も、用事があったんじゃなくて、照れくさかったんじゃないだろうか。だから、断った……
僕は、ニッコリと笑って、友に自分の住みかの紹介をする。
「ここだよ。」
松本と、いつも別れるところから、僕の家は実は三十秒もせずに着いてしまう。松本は、アパートをジッと見つめていた。
「あ、僕とルミさんは、このアパートの一室に住んでるんだ。」



