「うーん、本当は行きたいんだけどな、今日は用事があって無理だ。悪いな。俺は、お前が言う“ルミさん”に会ってみたいんだけどな……また今度な。」
ルミさんに会いたいのか……僕はそんなに、ルミさんのことを、松本に言っているだろうか。まあ、松本が来れないのは、残念だけど、よく考えれば、ルミさんは締め切りあけだから、静かな方がいいかもな……
「松本……。」
「ん?なんだよ。」
僕は、可愛いラッピングの箱を、持って松本に見せた。これは、えーっと誰からだっけか?確か、となりのクラスの子だな……
僕は、ちょっと言うのを躊躇ってから、ゆっくり口を開いた。
「今更言えないんですよね……」
松本は、首をかしげながら、僕に近づいてきた。僕は、下を向いた。だって、本当に今更なんだよな……言わない方がいいのかな。
「なんだよ、そこまで言ったなら、言えよ。」
僕は、大きく深呼吸をして、前を向いた。松本が、呆れた顔をして、僕を見ている。でもね、松本、次に言う言葉聞いたら、もっと呆れるよ?
「僕、実は……チョコレート嫌いです。」



