僕のお母さん2




なんなんだろう……この視線。ていうか、いつもなら僕と松本が挨拶したら、みんな挨拶を返してくれるはずなのにな……





何故か、男子も女子と一緒になって見てくる。なんか、監視されてるみたいで、僕は早くも、松本が座る席に向かった。





「あのさ……なんなんですか、この視線。」





「まあ、わかるって。」





そういう、松本は慣れているようだった。それに、どこか余裕があるのか、手を組んで目を瞑っていた。言われた僕は、意味が全然わからなかったけど……





「あ!……椿くん!」





ドアの方から、声がした。僕がそちらの方に目をやる。すると、視線も一緒になってドアの方に向く。僕は、内心びくびくしながら、ドアに向かった。女の子が立っていた。でも、失礼で残念だけど、隣のクラスの子なんだろうけど、名前がわからない。





「えーっと、椿くん。これ、受け取って。」





そう言って、差し出されたのは、ピンク色の包装紙に包まれていて、赤色のリボンが巻かれた、四角いものだった。中身は、見なくてもわかる。僕は、一瞬戸惑って、くれた子を見ると、顔が赤かった。