ありのままの、あなたが欲しい。

それでも俺は妹のことが可愛かったし、大切だった。


言葉や行動がおかしくても、俺や家族に見せる笑顔は普通の子と変わらなくて、本当に可愛かった。


奇異の目で見られて、なかなか友達が出来ないあの子を、俺が守ってやらなきゃとも思ってた。


それは親父も同じだったはずだ。だけど──



母親だけは違った。


自分からはそんなことは言わなかったけど、俺はわかってたよ。

絶対に味方でなければならない立場の人間が、自分の娘のことを煩わしく思っていたことに。



それは親父との言い争いを偶然聞いてしまった時に確信に変わったんだ。