ありのままの、あなたが欲しい。

バイバイする愛斗を先に部屋に入れて、私もショージさんに向き直る。



「本当にありがとう、ショージさん。このお礼はまた今度するわね」



そう言って、部屋に入ろうとした時…



「──夏芽さん」



ぐっと掴まれた手首。


振り向くと、男らしい、真剣な顔つきのショージさんが私を見ていた。


ドキン…と胸が鳴る。



「もう…一人で悩まないでくださいね」



──触れられた手から、ショージさんの体温と優しさが伝わってくるようだった。



「……ありがとう」



“俺もいるんだよ”

と言ってくれているような言葉が、心強くさせてくれて、素直に嬉しかった。