ありのままの、あなたが欲しい。


「ごめんね、荷物そのままにしちゃって…!」


「夏芽さん……」


「今の人だれ~?」



おそらくショージさんも聞こうとしたことを、愛斗は当然何の躊躇いもなく聞いてくる。


一瞬迷ったものの、とりあえず「昔の知り合いよ」と答えておいた。


でも、愛斗はそれで良くてもショージさんは納得しないだろうな。



「マナトくーん!」


「あっ、ミクちゃん!」



その時、少し離れた所からミクちゃんに呼ばれ、愛斗の意識はすぐに切り替わる。



「先生が呼んでるよー!行こっ」


「うん!じゃあ行ってくるね」



皆が集まる方へ駆けていく愛斗を笑顔で見送り、私とショージさんはまた元の場所に戻った。