残さず綺麗に平らげてくれたお弁当を見るだけで顔が綻ぶ。


温かい気持ちが胸にじんわりと広がるのを感じながら、それを片付け終わった時だった。



「……夏、芽……?」



後ろの方から、賑やかな声に混じって微かに私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


特に何も考えずに振り向く


……と、そこには。



「──…!?」



懐かしい、忘れもしない人がそこに呆然と立ち尽くしていた。



もう6年ほどの月日が経っている。

けれど、少し憂いを帯びながらも相変わらず整っている顔はその月日を感じさせない。



「──孝宏…さん…!?」



私の、共犯者──…