──それから。
『ぼく“かけっこ”がんばるから絶対見ててね!』
と言ってピースしながら向かっていったマナトくんは、見事に一位でゴールした。
その姿をばっちりカメラに収める俺に、夏芽さんはいつになくはしゃいで飛び付いてきたり。
夏芽さんお手製の手が込んだお弁当を三人で食べたりして、本当の家族のような錯覚に陥ってしまうほどだった。
「ほら、見てショージ!
一位になったからメダルもらったんだよ!」
「ははっ、でっけーメダル。よかったな」
炊き込みご飯のおにぎりを頬張りながら、マナトくんが手作りらしきメダルを見せてくれた。
俺が来ることをすごく喜んでくれてたらしく、それを聞いた俺もかなり嬉しい。



