ありのままの、あなたが欲しい。

「私、春に引っ越してきたばっかりだから、まだ皆とそこまで親しいわけでもなくて…
家庭の事情とか皆知らないの」


「あぁ、別にいいって。それくらい予想してたよ。
でも実際“パパ”とか“旦那さん”とか言われると動揺するね」



色々聞かれて、とりあえず当たり障りのない程度に答えておいたけど…内心冷や汗をかいていた。


苦笑する俺に、夏芽さんは少し悪戯っぽくこんなことを言う。



「やっぱり来なきゃよかったって思った?」


「思ってないよ」



デジカメの画面を覗きながら笑うと、ごく自然に言葉が出てきた。



「本当にそうなれたらいいなとは思ったけど」