ありのままの、あなたが欲しい。



──そんな平凡な生活を続けて数日。


近頃なにやら隣の部屋が騒がしい。


どうやら誰かが引っ越してきたらしく、隣から物音が聞こえてくるようになった。

子供の声もするから家族連れだろうか。



……それにしても。


このアパートの間取りは一応2LDKだが、全ての部屋がそんなに広くはない。

家族で住むには狭過ぎるんじゃないか?


……なんてお節介なことを、洗濯機を回しながらぼんやり考えていた土曜日の午前中。



──ピンポーン…


インターホンが鳴り、俺は寝起きのスウェット姿のままサンダルをつっかけつつドアを開けた。