苛立ちが含まれている声。


もちろん唯斗がいったんじゃない。



「お前に関係ねぇじゃん」



教室の入り口によしかかるようにして立っている龍。



「それともお前、マネージャーやんの?」



こんな挑発にのっちゃいけないってわかってる。



「どうせ、出来ねぇんだからやめとけよ、お嬢サマ」



でも…



「いい加減にしろよ、龍」



怒りが込められている声。


それは、龍の後ろに立っている類から発される声で。



「…類」


龍は、ビックリしたように目を見開いている。


「謝れ龍、最近のお前はやりすぎだ」


「ッチ…」


不貞腐れた龍は、そのまま教室を出て行った。