陸翔side


店を出ると頬をかすめる生暖かい風。

空を見ると今にも雨が降り出しそうで。


ふと横を見るとやっぱり美和は不安そうな顔をしていて。


声をかけようかすごく悩んだ。

が、止めた。

美和のすぐ横にいる長野が美和を見ながら悲しんでいるような、後悔しているような表情をしていたから。


まただ。


この2人、何かあったみたいだな……

俺に美和のこと話すときもそんな表情をしていた長野。


あの時の長野の言葉を思い出す。

“色々”ねぇ……


まぁ、いつか教えてくれるよな?



俺自身も雨が嫌いなため、このまま降らないことを祈った。