家に着き、“ただいま”その一言すら言えないくらい緊張していた。


ダッシュで階段を駆け上がり、部屋に入るとすぐにベッドにダイブする。


「ふあ~……」

緊張、緊張、緊張。

携帯をゆっくり開き、真田からもらった紙を見ながら慎重にアドレスを登録する。

カチ、カチ、カチ。

一文字一文字をゆっくり、丁寧に打っていった。


今、真田のアドレスを打ち込んでいる自分がなんだか夢のようで。


「……よし。」


俺は気合いを入れてメール作成画面を開く。


「さか…い…りく…と…です…メアド…あり…がと…な…」

俺は一言一言を読みながら打ち込んでいった。


出来たメールは、


“坂井陸翔です。
メアドありがとな。
これからよろしく:)”