いつもどおりに私は奥へと向かった。 私はこの場所だけに存在する不思議な空間が好きだった。 夢をみているような、かすみがかったような、この現実とは思われないひとときが好きだった。 初めて幽霊と会ってからもう一月を過ぎようとしていた。 その間、私はとても幸せだった。 もし、このまま幽霊の待人が来なかったらどんなにいいだろうと、思ってしまうほどに。