「おはようございます」 勤務している中学校の職員室に入るなり、同じ学年を組んでいる年上の教諭があわてたように近づいてきた。 「ちょっと、先生、こっちこっち」 席に着く前に、職員室横にある給湯室に連れて行かれる。 「どうしたんですか。そんなにあわてて」 「昨日、お見合いしてたでしょ。ホテルで」 声はひそめていたが、興奮を抑えきれない声音に、私は咄嗟に返す言葉をさがせなかった。