鞄を即座に掻き寄せて雄大さんの前から逃げた


逃げたかった…
あの場所から早く


私が本音を言う前に


"違う女を抱いた手で触らないで"

なんて…


言う前に



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「奏いっちゃった」


バーでは雄大さんが一人で呟いてた


「……何が嫌だったかなぁ~」


何かを確信したようにニヤリと出ていったドアを見てた