なぜそんな当たり前な光景が珍しいかといえば、理由はただ一つ。


ここが世で言う特別支援学校というやつだからだ。


私は全く歩くことなんてできず、もはや車椅子は切っても切り離せないもの。


現在高二の私は、小学部から高等部まであるこの学校に、やむを得なく通ってきた。


そして今日は、そんな我が校の二年に一度の文化祭の日である。


やりたくもないが私は係の仕事をすべく、廊下で客引きをした。


私たちの班の出し物はお化け屋敷でネコ娘の格好をさせられた私は、貼りつけたような笑顔を浮かべて客にビラを配っていく。