だから、私はきっとあの鳥たちに憧れるの。 この障害という柵から解き放たれて、自由に飛んでみたいって……。 「あー、今日はここまでだ。はい、号令」 急に少し大きくなった岸田先生の声に私の意識は引き戻される。 あっという間に三年のクラスの日直が号令をかけ、皆の挨拶の声が響いて授業は終わりを告げた。 だらだらと撤収の準備をする生徒のなか、窓際に座っていた私は人のいないホワイトボード前をいち早く通って隣の自分の教室に帰った。