私は、てっきりおばあさんが助けてくれるって思ってた。
元の世界へ帰してくれるって…

だから、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

「ええぇー!?じゃあ私は、自分の世界に帰れないってことですか?」

「帰ってもらっては困る」

「困るのは私です!
私は桃太郎なんかじゃないし、鬼退治なんてそんなこと出来ません!
とにかく私を元の世界に帰して下さい!!」

私の迫力におばあさんは困ったように言葉を飲み込んだ。

「………」

「お願いします!」

「それは……。出来んのじゃ…」

「出来ない…?」

「桃太郎様をこちらの世界に呼ぶことが出来ても、帰す方法は知らんのじゃ…」

「!!…それじゃ…私は。
自分の世界には帰れないの…」