少し進むと後ろから




「キャ――やめて下さい!」



叫び声が聞こえた




キャ―――?


またちょっかいてんのかあの野郎達


めんどくせー誰か助けるぐらいしないわけ?


俺はチラッと横を見た


だけどそこには誰もいなくて


あ―――めんどくさ


『いい加減離しなよ

 嫌がってるし

 ってか大人にもなってバカでしょ』


俺はからまれていた女子を、グッと引っ張った


「さっきのじゃね?」


「本当だwwなにしにきたんだよ」


後ろの奴らが口々に言いだす


『そこの奴らうるせぇよ』



そういうと、


「さっきから聞いてっと

ちょーしのってんじゃねぇ――ぞ!

クソガキ!」


ナンパ男達が、次々になぐりかかってきた。


一斉に。


ってかこいつらの頭何以下?ww


猿以下は確定だよね


はぁ…めんどくさ


そんなことを思いながら


俺はそれをすべて避け


ナンパ男たちの腹に


軽く一撃をいれる


そして気づくと


なぜか全員倒れていた…


『マジかよ…』


絶望的なヨワサデスネ。


「ゴホッ…  覚えてろよ!!」


野郎達は、


よく昔のドラマでありそうな


セリフを言い残して去って行った…


あっ女子……。忘れてた


『大丈…「「「キャ―――――♡」」」


俺の声は、女子達の歓声で跡形もなく消される。


野郎共の声も聞こえたが無視しよう。


『あの…「「「かっこいい♡」」」


今まで人が全然いなかったのに


なぜか今の喧嘩で人が集まっていた


しかも、何百m先は学校  


というかすぐそこだった…


俺、入学式早々やべぇことしたかも…


そう思った俺はいいことをひらめいた


『あの皆様学校には


 言わないでいただけません?』


キャラでもないが頑張って愛想を振りまいた



すると…




「「「はい♥♥♥」」」


上手くいったのか?

けど、怒られも噂もなかったから

上手くいったんだろう。


それから、噂はどんどん広がり


学園の王子になってしまったというわけだ。


(女だけどな)


広がるには一週間ほどで


聖南高校の全校生徒約1500人に知れ渡った


そしてその頃の俺はというと


先生を味方につけようと


優等生になりきった


後の高校生活をだらだら過ごすためだけに




そして、無駄になった。




ある日もっとめんどうなことを


頼まれてしまったから。








―――――