「おー、ようこそ。えっと羅菜さん?
でしたっけ?」
「はいっ!」
「親父、名前くらいちゃんと覚えろ」
「分かっている!!」
今あたしは、
まさかの警視総監さんの前にいる。
もう緊張でガチガチだけど・・・。
目の前では
普通に話す夜也。
本当に親子なんだと納得させられてしま
うんだ。
「自己紹介が遅れたね、わたしは
桐谷臣也(キリタニシンヤ)だ。どうぞよろしく」
「あっ、今井羅菜です!!」
「大丈夫、親父はお前の名前知ってるから」
「え?あーそっか!」
確かに
さっき名前呼んでもらった!
けど名乗らなきゃ礼儀が・・・いやでも
何回も言わなくていいってなる?
あたしはもう
しょっぱなから焦っていた。
そんなあたしに
桐谷さんは笑顔を向けてくれた。