なんて虚しいヤツって感じかもしれ
ないけど・・・。
ってかよく考えてみれば、
桐谷くん居ないよねもう。
しょうがない、
一人だしさっさと書いて帰ろうかな。
あたしは、
誰もいない教室で一人日誌を開いて書く。
そんなとき、
ふと思い浮かぶのは鈴音が言ってる
怪盗さん。
夜の帝王か・・・
なんでも盗んでくれるのかな?
盗んでほしい、
あたしのこんな可愛げのない考え方と
かその気持ちもろもろ。
「盗んでよ・・・ナイトさん・・・」
「なにを?」
一人でそう呟いたあたしの顔を誰が
覗く。
あたしは、
思いっきり自分の椅子を後ろまで下げた。
「えっ、
桐谷くん?」
「そうでーすっ」


