「え、あっはい・・・」


あたしの言葉を聞くとそそくさ病室を
桐谷さんは後にした。


り、律儀な人だなー・・・
別にお母さんの許可なんて取らなくても

全然構わないのに。



「羅菜、
ピエロな俺とこれからもよろしくな・・・」

「なに?改まって。
ずっと奪っててくれるんでしょ?」

「俺もそのつもりだったけど・・・」



えっ、なにそれ
もう奪えないってこと・・・?

混乱するあたしはくいっと腕を引かれる。



「俺が奪われたんだから離れられっこ
ないじゃん?」


顔を近づけられてそう言われた。

なにそれ、キャパオーバーだし・・・。



きっとあたし
今真っ赤な顔してるよ?



「なに?なんも言ってくんないの?」

「なんも言えないだけだよっ」

「なにその素直」