「ちょっ、待ってください!!」


逃げるなんて・・・
また罪を犯すってことだよね?

そう思って追いかけようと思ったのに・・・
立ち上がれない・・・?


もしかして、
あたし腰抜かしちゃってる!?

だっさー・・・。


だって逃げてく2人を追いかけることも
出来ず

見送ってるみたいじゃん・・・。



「最後に1つだけお願いしてもいいか」

「・・・え?」


もう少しで見えなくなる、そんなときに
明さんは立ち止った。



「佐菜に悪かったと・・・俺はただただ
佐菜が好きで後には引けなかった。」

「明さん・・・」



そのまま、
明さんはまた体制をくるっと変えた。



「じゃあな、あと・・・夜也結構危ない
んじゃないか?めっちゃ出血してるし」

「え・・・?夜也!?」



最後に声をかけてくれた朝也くんの
言葉を聞いて

あたしはバッと後ろに振り返る。