本当は怖いけど、
もっと怖くて悲しいことがある。
「夜也、お前は気づいてるんだろ?
俺が拳銃持ってるって・・・だからそんなに
震えてるんだろ?」
「震えてなんかいませんよ・・・」
「嘘つけ~、夜也、彼女の前だからって
隠すなよー」
夜也をおちょくる朝也さん。
でも確かに
夜也は少し、少しだけだけど・・・
震えてるように見える。
怖いはずだよ、だって拳銃って・・・。
「お前はとんだお人好しだな・・・」
「ははっ、違います」
「・・・違う?どこがだ」
「はい、俺は・・・羅菜だから守るんです。
それに、震えてませんよほんとに」
明さんの言葉を聞いた瞬間、
ゾッとした。
あぁ、この言葉まで実際に聞くなんてと。
だけど、
夢はここで終わったのに。
あたしが悲鳴を上げたのに
現実は
夜也が淡々としゃべっている。


