「佐菜、俺がいなくても・・・元気に
してんの？」
そして、
あたしを見ながらそう問いかけて来た。
もしかしてこの人・・・
まだお母さんのこと好きなの・・・？
「それは、どうでしょうね？」
少し、挑発するように見えたかも
しれない。
そう見えても構わない。
あたしがこの人に良く見られる必要は
まったくないのだから。
だけど、
どうやら違ったように明さんにあたしは
映っているようだ。
「君、すごいくらい佐菜に似てる。
なぁ、なんで佐菜は俺のものになって
くれなかったんだと思う？」
「それは・・・・・・
お父さんのことが好きだったからだと
思います」
「はっきり言うねー・・・
けどまぁもう佐菜のことは諦めたから」
「・・・へ？！」
“諦めた”
さらっと吐き捨てられたその言葉に
あたしは
驚きの声をあげるしかなかった。
